金融庁検討、開示義務国際的な流れ
金融庁は企業の気候変動リスクの開示を義務付ける検討に乗り出す。今夏にも検討会議を立ち上げ、上場企業や非上場企業の一部の約4000社が提出する有価証券報告書に記載を求める議論を始める。法的な拘束力を持つ有報でルールに基づく開示を義務付け、企業の取り組みを加速させるとともに、投資家の判断材料として役立ててもらう。早ければ2022年3月期の有報から記載を求める可能性がある。英国は21年1月にロンドン証券取引所で最上位の市場に上場する企業に対し、TCFD(Task Force Climate-related Financial Disclosures)に沿った開示を求めた。義務化に向けた会社法改正に向けた検討も進めており22年4月以降の適用開始を目指している。10月末から開く第26回国連気候変動枠組み条約国際会議(COP26)では企業の気候リスクの開示が中心的議題になる見通し。日本政府も開示のあり方を主張するため、早期に方向性を示したい考えだ。