温暖化ガス把握、東南アジア企業支援
政府は東南アジアの企業が排出する温暖化ガスを巡り、その量を算定・把握できる制度づくりに乗り出す。まだ制度が整っていない国が多く、これまで企業単位の排出量が見えにくかった。世界では供給網全体で脱炭素への取り組みを把握する必要性が高まっている。日本の制度は二酸化炭素換算で年3000㌧以上を排出する企業に対し、事業所毎で国への排出量の報告を義務付けている。欧米も類似の制度を運用。日本と日本企業の算定方法と取り組みを東南アジア諸国連合(ASEAN)でも雛形にする。月内にその骨子をつくり、英国で開かれるCOP26で公表する。各国への支援や共同での取り組みも並行して始める。具体的には2022年夏を目処に、フィリピンで業種ごとに排出量を算定する実証事業を開始。既に環境天然資源省や商工会議所と協力し、対象業種の選定を始めており、セメント産業や廃棄物処理業などが候補になる。