スコープ1、2は20年度比3割減
CO2ゼロ工場は22年度末から13工場増えた。44工場を事業会社別に見ると、電池事業を手掛けるパナソニックエナジーが13工場、車載部品を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズと電子部品を手掛けるパナソニックインダストリーがそれぞれ12工場だった。44工場の8割超を3事業会社が占めた。BtoB事業は「顧客からの期待やプレッシャーが強い」(パナソニックオペレーショナルエクセレンス品質・環境本部の楠本正治本部長)といい、省エネに加え、再生可能エネルギーの活用を進めている。パナソニックHD全体で再生エネ導入量は23年度に約6700万キロワット時と、22年度から2割増えた。自社の排出量「スコープ1、2」は153万トンと20年度から3割減った。
オフサイトPPAで再エネ調達
パナソニックエナジーの二色の浜工場(大阪府貝塚市)では屋根上に2000キロワットの太陽光パネルを設置し、23年4月に稼働した。特別高圧の配電線に太陽光発電を連係させる場合、通常は大がかりな設備の改造が必要となる。二色の浜工場では改造が不要な新しい手法を考案し、工事費用や工期を大幅に抑えた。再生エネのオフサイトPPA(電力購入契約)も活用する。パナソニックエナジーは23年2月に稼働した太陽光発電所(合計1万8000キロワット)から電力を調達している。パナソニックインダストリーやパナソニックオートモーティブ向けには1万1500キロワットの設備が稼働し、24年度にも1万8000キロワットが新たに稼働する予定だ。一方、家電などBtoC(消費者向け)事業ではCO2ゼロ工場はまだ少ない。BtoBの事業会社が持つ再生エネの導入ノウハウはグループ内で共有し、再生エネ調達の時期を見極めている段階だという。