排出減上積み議論
地球温暖化対策を話し合う第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が31日、英グラスコーで開幕する。温暖化ガスの大排出国である中国やインドが排出削減に前向きな対応を示すがが最大の焦点だ。根深い先進国と途上国の対立を乗り越え、石炭の削減や途上国への資金支援で合意できるかも注目される。地球を正常に維持するためには温暖化ガス排出量を10年比25%減、1.5度以内に抑えるには45%減にする必要があるとする。しかし条約事務局が25日に公表した分析によると、現状の取り組みのままでは逆に16%増える。足元で洪水や森林火災といった異常気象が相次いでいるにもかかわらず、各国の歩みは鈍い。パリ協定の達成には10年足らずで大胆な削減を実現せねばならない。日米欧など先進国はすでに30年の排出削減目標を引き上げている。パリ協定の実現へ焦点となるのが、世界の排出量の60%を占める新興・途上国の取り組み強化だ。とくに中国とインドは合わせると世界の33%強の二酸化炭素を排出する。両国が温暖化対策の前進へガギを握る。
石炭利用大幅減求める
議長国の英国は脱石炭に力を入れてきた。ジョンソン首相は9月、「先進国は30年、途上国は40年までに石炭への依存を断つよう求める」と表明。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国とインドは発電量の70%、日本は30%を石炭に依存している。欧州連合(EU)は米英独仏と共同で南アフリカなどの脱石炭を支援する枠組みにCOP26で署名すると発表。石炭包囲網が形成される可能性がある。排出減と構図が一変するのが気候資金の問題だ。経済成長を重視する途上国が排出を減らすには先進国からの資金や技術支援は欠かせない。先進国は09年、20年までに官民で年11兆の途上国支援を約束した。しかし、OECDによると19年時点で、9兆円にとどまっている。OECDは11兆円になるには2023年になると公表。途上国側は先進国の取り組みが不十分と批判をしている。会議は11月12日まで開催され、バイデン米大統領や岸田文雄首相も出席する意向だ。
※私たち㈱シェノンは脱炭素98%を実現させる装置を開発し、SDGs、パリ協定の実現に寄与したいと行動しております。
また、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)への加盟により社会に対してその行動を示しています。