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COP26  閉幕「迫る気候危機、動けぬ世界」

分断の影 先進国主導に限界

13日閉幕した第26回国連気候変動枠組み条約国会議は、迫る気候危機に動けぬ世界の姿を露呈した。米中対立など分断が影を落とし、先進国主導のカーボンゼロの議論は限界が近い。合意文書の石炭火力を巡る表現が「段階的廃止」から「段階的削減」に弱められた。今回は2015年以来、6年ぶりに米中首脳が顔を揃える好機だったが、習近平国家主席は欠席。バイデン米大統領は「失望した」と批判した。排出量が1,3,4位の中国、インド、ロシアの3ヵ国は国内総生産では世界の約2割だが、排出量は同4割。欧米は中ロと人権問題などで対立し、中ロに排出削減をどう迫るか道筋は描けていない。今回で26回目のCOPの半分は欧州で開催してきたが22年はエジプト、23年はアラブ首長国連邦で開く。中東に舞台を移すことで先進国主導の議論の潮目が変わる可能性がある。議長国の英国は賛同できる国だけで合意する「有志連合」の手法を連発した。石炭火力の廃止、ガソリン車の販売停止などのテーマでは日米中がいずれも参加せず、実効性に疑問符がついた。19年に異常気象などで家を追われた人は約2400万人。カリブ海の島国バルドスのモトリー首相は「1.5度は生存に必要だ。2度なら死刑宣告。」と訴えた。アイルランドのロビンソン元大統領は「COP26は前進したが気候大災害の回避には全く不十分だ」と発信した。政治ショーでもあり、年一回のCOPで目前の危機に対応できるか不安は膨らむ。国益にとらわれず、地球の危機回避へ動くにはより恒常的な議論の場が必要かもしれない。

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