日本IBMなど企業の脱炭素支援
IT大手が顧客企業の二酸化炭素排出量を可視化するサービスに乗り出す。日本IBMはブロックチェーン(分散型台帳)技術を使い、二酸化炭素排出量算出を支援する事業を年内に始める。NTTデータは1月から企業の脱炭素化を推進する事業を本格化する。自動車・電機大手などがサプライチェーンの二酸化炭素削減を掲げるなか、排出量を把握したい需要を取り込む。IBMは自動車や衣服、食品などでどこでどのようにつくられ、運ばれてきたのかを記録する「トレーサビリティー」のプラットフォームを構築している。例えばコーヒーの場合、豆の生産地や生産農家、収穫日など様々な情報をブロックチェーンで共有しており、これを応用する。IBMはまず製造業や小売業などと連携して事業を進める。各生産工程で二酸化炭素排出量を算出してブロックチェーン上に記録すれば総排出量を見積もることができる。事業者間での情報共有も容易になるという。すでに欧州では原材料調達から生産、販売、廃棄に至るまでの排出量の把握が求められるようになっている。食品カロリー表示のように二酸化炭素排出量の表示が一般的になる可能性がある。