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ウクライナ危機と欧州

経済再構築への備え

※今回はロシア軍によるウクライナ侵攻をテーマに日本経済新聞経済教室欄から抜粋させていただきました。

 

私達は昨日までと違う世界に目覚めてしまった。世界が新型コロナのパンデミックの危機を乗り越え、再び自由に呼吸できるようになろうとしていた矢先、新たな危機、おそらくはさらに破壊的な危機が訪れた。ロシアとの経済戦争である。欧州は、温暖化ガス排出実質ゼロに向けた行動計画「グリーン・ディール」により経済と社会を再建する代わりに、全く別の方法で経済を再建することになる。グリーン・エコノミーに代わって、ウォー・エコノミーが実現する。2月下旬以降、私達は経済を武器として使うことができ、また使うべきだと気づいた。私達は戦争に突入している。この文章が書かれているとき、世界の指導者たちは核の脅威について議論している。核戦争は本当に破壊的であり、実際に起きれば地球から人類の大部分が消滅することになろう。核爆弾の投下後、核の粉塵で大気が汚染され、さらに数ヶ月の間、核の放射性降下物が発生する。その後、核の冬がやってきて極度の低温の時期が続く。地球上のどの場所も安全でなくなる。あらゆる努力を払って緊張緩和に努めなければならない。そうしなければ人類と生態系の大惨事が襲いかかることになる。欧州は経済とエネルギーを完全に再構築する必要がある。欧州はエネルギー調達をロシアに依存してきた。ロシアからの天然ガスや石油の供給停止に対応するため、原子力に戻ったり石炭を使ったりしなければならないかもしれない。

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