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政府の脱炭素20兆円支援

排出量取引参加 要件に

政府は総額20兆円の脱炭素支援をてこに企業排出取引制度への参加を求める。企業が自ら判断している現状に対し、政府の支援を受ける要件にして実効性を高める。温暖化ガスの排出削減で業種別の指針をつくり、それに基づく目標を達成できない企業には指導や勧告を検討する。

業種別に削減指針

経済産業省はグリーントランスフォーメーション推進法の改正案を2025年の通常国会に提出する方向で、こうした対策を盛り込む。参加を支援の要件にするのは、欧州などに比べ遅れている日本の排出量取引を実効的なものにするためだ。今は参画する企業は国内排出量の5割ほどで、対応が必要な業種で取り組みが不十分との指摘がある。温暖化ガスの削減が進んでいない企業にとっては、排出量取引に参加しないことで政府の支援を受けられない影響は大きい。要件にすれば企業に対応を促すことになる。排出量取引は欧州連合や中国、米国の複数の州も導入し、世界で普及している。EUは大規模発電所や工場などを対象に参加を義務付け、制度を始めた05年以降、対象業種の排出を37%減らした。日本では参加を義務付けない形で23年度に始まった。23年12月時点で日本製鉄や日立製作所、TOYOTA、東京電力など568社が名を連ねる。経産省がつくる製鉄のなどの業種別の指針で後押しする。「排出する二酸化炭素を何%減らす」といったように温暖化ガスの削減割合を定量的に示すことになるとみられる。目標が妥当かどうか第三者機関が認証するようにする。これまでは経済団体や業界団体が自主行動計画を策定し、目標とする指標、基準年がバラバラだった。指針により共通にしていく狙いがある。26年度からは排出削減の目標を達成できない企業に政府が指導できるようにするなど、順守義務を課すことも検討する。まずは行政指導で改善を促し、それでも対応が不十分な企業には勧告するといったように段階的に措置を強める想定だ。

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