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先進国 排出量推計に異論

算定の改善欠かせず

地球温暖化対策にあたって先進国が示す温暖化ガスの排出量の推計に異論が出ている。民間が人工衛星などで解析したところ、例えば米国で化石燃料を生産・輸送する時の排出量は、これまでの推計値よりもドイツ全体を超える規模で多かった。20日に気候変動に関する報告書を発表する国連などの公的機関も、新たな手法を参考にしながら推計方法を見直して行く可能性がある。

燃料生産・輸送時にずれ

先進国は気候変動枠組み条約に基づき、温暖化ガスの排出・吸収量を毎年推計している。基となるデータはエネルギーの生産や消費量、製品・サービスの量などの政府統計が多い。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が科学的根拠に基づく指針を出している。温暖化対策の最も基礎的なデータの一つだ。最近は二酸化炭素やメタンが特定の波長の電波を吸収するといった科学的な特性を利用する技術が進み、民間が排出量の実測を試みている。国際NGO連合は2020年に発足し、世界中でほぼ全ての人為的な排出を常時監視することを目指す。グーグルなどテック企業のほか、米元副大統領のアル・ゴア氏、米ジョンスホプキンス大学などが協力する。300超の人工衛星に届く太陽光の反射光や、地表面付近にある3万のセンサーのデータなどから独自で排出量を算定する。21年に石油施設や製鉄所、船舶、農場などからの排出量を公表し始め、このほど対象を世界の主要な700万超の施設に広げた。二酸化炭素排出を「見える化」する動きは各国の政策だけではなく、企業にも影響を与える。事業所単位で把握すると、企業ごとにどれだけの温暖化ガスを排出しているかを比べられる。排出削減が進む企業はESG投資を得る機会となる。削減が鈍く報告が不正確な企業は投資家や消費者から見放されるリスクがある。

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