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脱炭素化の両立を可能にする
株式会社シェノン

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脱炭素の現状

求められるリーダーシップ

日本の排出量取引「GXーETS」の試行制度は、ベースライン&クレジット型です。そこでは、取引される排出枠が、実質的な排出削減を担保していることが重要です。成り行きで達成可能な排出目標をベースラインとすれば、削減努力を伴わない排出枠が市場に供給されます。低品質の排出枠が市場に大量に供給されると、排出枠価格が低迷し、環境対策上も問題です。GXーETSの試行では、政府の2030年度目標に沿ったベースラインを設定し、このリスクを一定程度緩和しています。しかし、そもそも政府目標は「1.5度目標」に整合しておらず、十分な排出削減は期待できません。参加企業が自社の排出目標以上に設定するインセンティブもありません。GX基本方針では炭素賦課金を28年度に導入するとしています。対象は化石燃料の輸入業者などです。類似する政策に、12年に導入された地球温暖化対策税があります。同税の現行率は二酸化炭素排出量1㌧あたり289円で世界的にも非常に低い水準です。EUーETSにおける排出枠スポット価格の22年平均値は同92€(約13,000円)です。国際エネルギー機関(IEA)も50年に世界全体で脱炭素化を達成するための炭素価格を試算しています。それによると、先進国で必要な炭素価格は30年が130㌦(約17,000円)50年が250㌦(3万3,000円)です。05年に導入されたEUーETSと比べ、日本は約20年遅れています。日本は早急に、30年度までに1万7,000円の水準まで引上げなければいけません。日本は23年5月に広島で開催されるG7サミットの議長国です。気候変動対策でのリーダーシップ発揮が期待されます。

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