コストダウンと
脱炭素化の両立を可能にする
株式会社シェノン

お問い合わせ

COP28議長国UAE 脱炭素目標5年前倒し

原油増産、批判かわす狙い

アラブ首長国連邦(UAE)が脱炭素戦略の加速を打ち出した。アブダビ国営石油会社は7月31日、温暖化ガス排出ゼロの目標年度を5年前倒しすると発表した。議長国を務める第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)を控え、脱炭素への貢献をアピールする。アブダビ国営石油会社は7月31日、同社事業で排出する温暖化ガスを2045年までに実質ゼロにすると発表した。従来は50年の達成を目標としていた。同社は発表で「低酸素の未来に向けた変革の旅に新たな章を記す」と強調した。11~12月に開催されるCOP28では、アブダビ国営石油会社最高経営者のジャベル産業・先端技術相が議長を務める。主要産油国で原油生産を担う国営石油会社トップがCOP28を主宰することに対し、国際環境団体などからは批判が相次いでいる。脱炭素戦略を加速させる背景にはこうした批判をかわす狙いもある。アブダビ国営石油会社によると、22年の自社原油生産などの操業に伴う温暖化ガスの総排出量は二酸化炭素で約2400万㌧に相当する。石油1バレルあたり約7㌕の二酸化炭素を排出したという。今回の目標には取引先が燃料を燃やした際に排出される温暖化ガスについての削減目標は含まれていない。欧州の石油会社では取引先の排出削減を含めた目標を定める流れが強まっている。UAEは7月、30年までに最大545億㌦(約7.7兆円)を投じて水素など再生可能エネルギーの供給能力を拡大する新たなエネルギー戦略も決定した。50年には年間1500万㌧の水素生産を目指すという。UAEは脱炭素戦略をアピールする一方、世界的に高まる原油需要に対応するための増産も進めている。22年11月には、27年までに原油生産能力を日量500万バレルに高める方針を打ち出した。

関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。

PAGETOP