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世界の海 5割異常高温

平均水温、8月最高更新続く

世界の海が地球温暖化の影響で異常に温まっている。米海洋大気局(NOAA)によると、世界の海面の約5割が8月に異常な高温になった。東日本の太平洋沖などが特に高温になっている。世界の海面の平均水温は過去最高を更新しており、気象や生態系、漁業への悪影響が懸念される。特定の海域の水温が平年を大きく上回る現象は「海洋熱波」と呼ばれる。NOAAは人工衛星の観測データなどを分析し、「8月現在、世界の海域の約48%が海洋熱波の状態にある」と報告した。1991年以降で最も高い割合だ。2024年2月まで50%近くで高止まりすると予測する。欧州連合の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、極域を除く世界の平均海水温は7月28日に20.95度となり過去最高を更新した。従来の最高は16年3月だった。8月に入ってさらに日々更新し、22日には21.0度に達した。通常は3月頃にピークとなるが、今年は5月以降も上がり続ける異常な状況だ。大気に蓄えられた熱の9割を海が吸収する。この夏は世界的に記録的な熱波が発生しており、海水温の上昇が今後も続く見通しだ。

東北沖2~6度

NOAAは日本では東北地方の太平洋沖で海水温が「平年より約2~6度高い」と分析。海洋研究開発機構の美山透主任研究員は「世界的に見ても東北沖は平年との差が大きい」と指摘する。太平洋赤道域東部では海水温が高くなるエルニーニョが発生しており、南米西海岸沖では約2~4度高い。北大西洋や地中海でも広範囲にわたり約2~5度高い状態だ。国連のグレテス事務総長は7月、同月が観測史上最も暑い月になるとの見通しを受けて「地球温暖化の時代は終り、地球が沸騰する時代がきた」と指摘した。温度の上昇は大気だけでなく海にも及ぶ。海洋熱波が強まる要因として地球温暖化の影響が指摘されている。国連の機構変動に関する政府間パネルIPCCによると海洋熱波の頻度は1980年代以降に倍増した上、勢力が強くなり期間も長くなっているという。2006年以降に起きた海洋熱波の殆どは人類の活動による温暖化が原因の可能性が非常に高いとしている。海洋熱波は魚や鳥の大量死を招くほか、赤潮などが起こりやすくなる。NOAAは海洋熱波によって世界で毎年数十億㌦の経済的損失が生じていると指摘する。

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