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温暖化対策は国際連帯税で

グローバルタックス

世界気象機関(WMO)は2023年の世界平均気温が記録のある1850年以降で過去最高になる見通しだと発表した。ここまで追い込まれた状況の中で、実効性のある政策が取られなければ、私たちには今よりさらに暗い未来が待っているだろう。COP28では、開発、気候、自然の資金調達のための国際課税に関するタスクフォースの発足が発表された。この目的は最も温暖化ガスを排出しながらも低税率となっている経済セクターへの課税、例えば炭素税、金融取引税、海上・航空輸送税などのグローバルタックス(国際連帯税)に基づく革新的な資金調達手段を特定して、資金を動員することである。民間資金は最終的には利益の出る事業しか対象にできないため、誰ひとり取り残さない温暖化対策を目指すのであれば、公的資金であるグローバルタックスの導入が有効ではないだろうか。グローバルタックスとは、従来の国家主権に専属した課税では対応できないグローバルな資産や国境を越える活動に課税し、負の活動を抑制しながら、税収を地球規模課題の解決に充てる税制のこと。現在、気候変動やパンデミック、紛争、食糧危機などの地球規模課題は日本の国益にも直接影響を与えている。従来、途上国が中心に語られがちであった世界の課題は地球規模の課題になった。こうした国境を軽々越えて影響しあう世界において、グローバルタックスは国際社会の課題に対峙できる処方箋だ。日本ではこれまで一般の認知度が低かったが、今後は導入に向け市民社会を巻き込んで進めていく必要があるだろう。グローバルタックスはグローバリゼーションの負の影響に立ち向かうための手段だ。地球温暖化の損失と損害からの復旧にかかるコストは2030年までに1500億~3000億㌦にのぼるという。日本を含め待ったなしの温暖化対策を打ち出さなければならない国際社会にとって、今こそグローバルタックスの導入が必要だと思う。

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