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国に必要、気候問題責任者

国に必要、気候問題責任者

気候変動が進むなか、世界は保険をかけることができない場所になりつつあるのか。この疑問は当然ながら、現在は保険がカバーしている地域の話だ。先進国では地球温暖化や物価上昇、脆弱な地域での建物建設といった要因が保険料を押し上げ、政府の支援制度に頼らざるを得ない人が増えている。緊急の課題がもう一つある。保険加入率が格段に低い新興国と途上国の気候リスクをどう管理するかだ。世界銀行と国連が保険業界と共同で運営する「保険開発フォーラム(IDF)」は6月、英国で開いた国際会議で既に最悪の異常気象と闘っているこうした国々への関心を高めようとした。問題は「プロテクションギャップ」、つまりどこの地域にも保険が補償していない経済損失があるというところだろう。英保険大手エーオンのデータを見ると、2023年に世界で起こった自然災害による経済被害額のうち保険がカバーしたのは31%。過去の平均と大差は無かった。だが地域に偏りがあった。米国は損失額がほぼ補償されていた。アフリカは全域ではわずか7%だった。最貧国ではさらに低いという別の調査もある。IDFは「強靱で持続可能なインフラ」を構築するための基金を設立し、途上国と新興国が気候変動の影響に対処するのを支援しようとしている。IDFの事務局長は国全体の気候リスクを管理し、保険の仕組みも構築する「国家リスク責任者」が各国とも必要になってきたと考える。どんな官職の新設も、手っ取り早い環境対策にはなりにくい。それに各国政府には長期的にの物事を見る保険数理人やリスクの専門家がすでにいる。国家リスク責任者がいれば、外部の保険会社とリスク分担する仕組みをつくる際にも役に立つ。

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