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ヤマト運輸、宅配便のCO2相殺 世界初ISO準拠で「信頼性」

カーボンニュートラル配送

二酸化炭素(CO2)排出量をボランタリー(民間)カーボンクレジットでオフセットした「カーボンニュートラル配送」をヤマト運輸が始めた。サービス開始にあたり、国際標準化機構(ISO)の新たな規格に準拠しているとの第三者認証を取得したのが特徴だ。この規格への準拠は世界初だという。クレジットの使い方は企業によって差が大きいなか、ISOの活用は選択肢の一つになる。「カーボンニュートラル配送」「すべての宅急便がカーボンニュートラルのやさしい配送なんです」。6月に始めたCMでは、俳優の菅田将暉さんやヤマト運輸の制服を着た人物が掛け合いで新サービスをアピールする。CM画面のほか看板、ステッカーで目を引くのが「ISO14068-1:2023」の文字だ。14068はISOの中でも2023年につくられたばかりの規格だ。温暖化ガス(GHG)削減の長期計画を立て、実行した上で減らし切れない分はクレジットでオフセットすることを認めている。
ISOの策定などを担う英国規格協会(BSI)の日本拠点BSIグループジャパンによると、準拠認証を受けたのはヤマト運輸が世界初だ。カーボンニュートラル配送は、荷物を届けるという面では従来の宅急便と同じだ。料金も変えていない。ISO準拠の認定を受けたことで「自称ではない、信頼性のある主張としてカーボンニュートラルをアピールできるようになった」とグリーンイノベーション開発部で認定取得を主導した星雄一朗氏は話す。脱炭素の取り組みを評価する第三者の枠組みは複数あるが「企業単位ではなく、製品・サービス単位で使える」としてISOを選んだ。

カーボンクレジットでオフセット

対象は宅急便など3商品だ。ヤマト運輸の排出量の8割を占める。準拠認定は22年度のデータに基づいて取得した。総排出量は246万トン。集荷や仕分け、配送のほか、梱包資材に由来する排出量などもなるべく1次データを使って計算した。21年度に比べると11万トン減っている。ドライアイスの使用減や再生可能エネルギー由来の電力使用を増やした結果だ。こういった自助努力をしたうえで残ったのが246万トンで、この分をカーボンクレジットでオフセットした。調達額は公表していないが、仮に1トン当たりの平均コストが1000円だとすると20億円超となる。使ったクレジットは「カーボンニュートラリティリポート」などで開示した。プロジェクトを認証した第三者機関や生成年、償却日なども示している。最も多いのはインドの太陽光発電プロジェクトだった。22年度分に続き、7月中にも第2弾として23年度分を集計する。今夏にも削減しきれない排出量に相当するカーボンクレジットの購入に乗り出す見通しだ。

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