G7の早期義務化が課題
英紙ファイナンシャル・タイムズのニューズレター「モラル・マネー」6月9日号では、主要7か国(G7)財務相会合が気候関連の財務情報開示を求める方向で合意したことについて米証券取引委員会(SEC)のメアリー・シャロピ元委員長に意見を聞いた。主な内容は以下の通り。
シャロピ氏が気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に関与するようになったのは5年前のことだ。シャロピ氏はTCFDの取り組みが「昔そんな団体があったよね」と言われるようなものになるのではないか、と心配していたが、シャロピ氏の懸念は杞憂に終わった。5日閉幕したG7財務相会合が、企業に対して気候関連の財務情報開示を求めるTCFDの提言を支持する方針を明らかにしたからだ。シャロピ氏はG7財務相会合のTCFD指示宣言を「重要な意味を持つ」と評価する。「世界が気候変動リスクを人類の存亡がかかった問題だ」と認めたことを意味するからだ。
情報開示の義務化
今後は、G7の各国政府がどれだけ早くTCFDに沿った気候関連の情報開示を義務化できるかが課題になる。香港、英国、ニュージーランド、スイスがTCFDの提言義務化に踏み切る方針を示した。多くの国・地域が同様な動きにでると見られる。