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成否握る民間130兆円投資

脱炭素へGX債始動

東京ガスの次世代都市ガス実証施設は見学するまでに数ヶ月もかかる。ここではごみ焼却場の二酸化炭素と水素で都市ガス主成分メタンを造る。訪問者にこれまではあまり見られなかった生命保険会社など市場関係者が増えてきた。実はこの施設は東京ガスが2022年に発行したトランジションボンド(移行債)約200億円の使途の一つ。興味を持つ投資家から見学希望が相次ぐ。東京ガスは30年までに脱炭素を含む成長領域に2兆円を投じる計画。化石燃料からの脱却は道のりが長い。日本の脱炭素に必要な投資額は150兆円で、政府のGX移行債20兆円は民間投資の呼び水役だ。民間の移行債市場は発展途上だ。23年度の発行額は約2500億円とグリーンボンドの数分の1。投資家は温暖化ガス排出が多い企業への資金拠出をためらう。政府支援の戦略性も問われる。「国際競争力の観点では現状の支援だけでは厳しい。開発から実装へ切り替わる際に相応の支援をお願いしたい」JFEホールディングス副社長の寺畑氏は政府に注文する。鉄鋼の脱炭素技術は開発から普及までに必要な資金が桁違いだ。例えば日本製鉄は研究開発で約5000億円、設備投資も4~5挑円にのぼると試算する。普及まで見据えた国の支援が必要との危機感を持つ。中国政府は500億元の基金を設け、鉄鋼の脱炭素技術開発から商用化まで支える。日本も政府と企業、金融が連携を強めないと国内産業は埋没しかねない。

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