新興国インフラ向け基金
日仏独の官民が連携して新興国の気候変動対応を資金面から促す新たな枠組みが動き出す。資産運用大手の米ブラックロックは再生可能エネルギーなどのインフラ整備を支援するファンドを作り、公的機関である国際協力銀行などが参加する。脱炭素社会の実現には巨額の投融資が必要で、政府系の出資を呼び水に民間がお金を出しやすい仕組みを整える。550億円規模を当初の目標額とし、半分の確保に目処をつけた。官民ファンド「クライメート・ファイナンス・パートナーシップ」の出資者を近く公表する。
国際協力銀行のほかフランス開発庁、ドイツ復興金融公庫といった政府系機関などが120億円規模の出資を決めた。ファンドはアジア、中南米、アフリカのインフラ構築を投資の対象とする。再生可能エネルギーの送配電綱を整えて工業地域のエネルギー効率を高めるほか、交通渋滞の多い地域では温暖化ガス排出の少ない交通網の整備などに資金をあてる。ESGを強みとするブラックロックが主導して投資先を選定する。