コストダウンと
脱炭素化の両立を可能にする
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温暖化、コロナ並みの危機

脱炭素へ政府・市民連携を

地球温暖化は急激な海面上昇をもたらしており、イタリアの観光地ベネチアは数十年後には海の下に沈んでしまう恐れがある。これを防ぐには、世界の指導者が気候変動を阻止するための行動を起こさなければならない。地球の気温上昇を産業革命前に比べて1.5~2度までに抑えるというパリ協定の目標達成はベネチアのみならず、世界のあらゆる場所で取り返しのつかない被害が起きないようにするには不可欠だ。これだけの難題を実現するには、劇的に行動を変える必要がある。とりわけ、昨年は新型コロナウイルスのパンデミックに関連する強制的なロックダウンと経済の低迷があったからこそ二酸化炭素の排出量が大幅に減少したことを考えるとなおさらだ。実際に、英石油大手BPのチーフエコノミスト、スペンサー・デール氏の分析では、20年の減少率は、1㌧当たりの炭素価格(炭素税)が国際通貨基金(IMF)によるパンデミック前の世界平均の推定値である2㌦ではなく、「恐ろしく高い水準」の1400㌦になったと想定した場合の水準に近いという。ではG20は何をすべきか。第一に各国の財務相や中銀総裁たちは、炭素価格と炭素税が今後安定的に上昇していくよう協調体制を整えるべきだ。欧州連合(EU)はこれを実践している。日本の炭素税増、環境税増も時間の問題である。

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