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脱石炭、孤立深まる日本

G7議長国の独「30年までに」米は30年代で歩み寄り

5月下旬のG7(主要7ヵ国)気候・エネルギー担当閣僚会合や6月の首脳会議に向け、欧米諸国が脱炭素のG7合意をまとめようと動きを加速させている。議長国の独が2030年までの国内石炭火力の全廃を各国に打診して多数が同調する中、米国は「30年代」の表現で合意文書に盛り込むよう求めた。米独が歩み寄る中、石炭活用を継続したい日本は全廃の文言の削除を求めており、孤立は深まっている。

「全廃」削除要求は1ヵ国

担当閣僚会合は25~27日に独で開催する。合意文書の原案には21年11月に開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で採択した「グラスコー気候合意」を着実に進めることを明記した。この合意は石炭火力を中心とする化石燃料の段階的削減が盛り込まれている。原案には35年までに電力部門を脱炭素化することも明記された。これはバイデン政権が掲げる公約に沿ったものだ。石炭の全廃時期は独提案の30年と米国主張の30年代でまだ開きはあるが、両国が歩み寄る様子がうかがえる。「6対1」の構図で孤立する日本がなお反対しているのは、発電時に二酸化炭素を排出しない脱炭素電源の導入が遅れているためだ。日本は30年度も電源の19%を石炭火力で担う計画を公表している。欧米がG7での脱炭素の合意にこだわるのは、中国への圧力を強めたいとの思惑がある。世界最大の温暖化ガス排出国である中国は石炭の消費量も世界の半分を占める。気候変動対策には中国の石炭使用を減らすことが欠かせない。国連は温暖化ガスの削減を実現できなければ異常気象による被害がさらに拡大すると警告している。G7合意の行方は世界の脱炭素の行方を左右するとの認識が世界で強まっているだけに、日本は難しい状況に追い込まれている。

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