気候変動高まるリスク
世界が記録的な熱波に襲われている。欧州は未曾有の高温が続く。ポルトガルは47度を記録。熱波の影響で高齢者を中心に600人以上が死亡した。フランスは観測史上最高の41.9度。イギリスは40.2度を記録した。スペインのサンチェス首相はツイッターで「気候変動は人の生死に関わる」と発信した。世界気象機関によると、5月中旬にはインド各地で45～50度を観測した。パキスタンも50度に達し、山岳地帯で氷河湖が決壊した。日本も例外ではない。日本救急医学会の医師らは6月28日の記者会見で暑さを「災害級」と強調した。7月1日には関東鉄道常総線が暑さによるレールのゆがみで運行できなくなった。17日～19日にベルリンで開いた気候変動に関する官僚級会合「ペータースベルク気候対話」では途上国への資金支援などを議論した。国連のグレテス事務総長は「人類の半数が洪水・干ばつ・山火事などの危険地帯に住んでいる」と懸念を示した。温暖化ガスの排出量は増え続けている。石化火力による21年の世界の発電量は、中国やインドなどの新興国の電力需要の増大に伴い20年比9％増の10兆422億㌗時と過去最大になった。
