日本、車・石炭火力で防戦
主要7ヵ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が16日まとめた共同声明は、議長国の日本に重い課題を突きつけた。2035年の温暖化ガスの排出削減は「19年比で60%減」とした。再生可能エネルギーの導入目標の引き上げは必須で、脱炭素に向けて欧米からの圧力は続く。日本は30年度時点で4割弱の再生エネ比率を見込む。起点の年度が違うため単純比較はできないが、現状の30年度に13年度比で46%減の目標よりも60%減は、より踏み込んだ対応が必要になる。国は40年までに最大4500万㌗の洋上風力発電の導入にメドをつける。導入量の上積み、前倒しが求められる。太陽光は天候に左右されやすい。陸上風力も適地に限界がある。欧州や中国は洋上風力を再生エネ拡大の柱に据える。共同声明の策定過程で、日本は「防戦」続きだった。象徴は石炭火力発電所だ。温暖化ガスの排出量が多いとして欧州などは廃止時期の明示を迫った。日本は30年度も発電量の2割弱を石炭火力に依存するため受入れられなかった。石炭火力でアンモニアを混焼する取組みにも批判が相次いだ。発電へのアンモニアの活用にはG7の複数の国が明確に反対し、声明からの削除を求めた。日本は「守り」に終始した議長国から、世界の脱炭素をけん引する「攻め」へと転換していく必要がある。※私たちは自社製品を用いた二酸化炭素排出抑制に大きく寄与いたします。