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ESG債券市場、急成長

曖昧基準・厳しい監視 

2021年、サステナブル投資分野の中でも特に債券市場は飛躍的な伸びを記録した。だが今年もその勢いを維持できるかどうかは疑問も残る。サステナブル関連の債券は4種類「環境債」「社会貢献債」「サスティナビリティー債」「サスティナビリティー・リンク・ボンド」がある。それぞれの頭文字をとって、総合的に「GSSS債市場」と呼ぶことにする。米格付け会社ムーディーズ・インベーダーズ・サービスによると、GSSS債券市場の発行額は昨年ほぼ1兆㌦と前年比60%以上成長した。世界的に金融引き締めが進む中で、22年も同じ成長率を維持できると考える人は少ない。それでもムーディーズは成長率36%に見込む。発行額は総額1兆3500億㌦。世界の債券市場の15%を占める。懸念要因としてはまず基準の曖昧さだ。いまだに「グリーン」や「サステナブル」を厳密に定義し、管理する機関は存在しない。どんな事業や製品が持続可能かを示す欧州連合(EU)の分類に対して国際基準になるとの期待がかかっていた。だが、天然ガスと原発を持続可能に含める方針を示したことで、一気にその期待は後退した。また、ムーディーズはSLBへの監視の目が厳しくなる可能性があると警告する。懸念材料はあるが、GSSS債券市場は成長を続ける見通しだ。バンク・オブ・アメリカは最新のリポートで、通常の社債よりGSSS債の利回りが低い「グリーニアム」は今年も同水準で推移すると予想した。利回りが低くても買いたいという投資家の需要が強いことを示している。

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