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ESG債、変わりゆく主役

脱炭素へ移行債拡大

ESG債を発行する主役が変わりつつある。日本取引所グループ(JPX)によると、2022年度末のESG債の発行残高は5兆円に達し、電気・ガスや鉄鋼などの企業も発行に動き始めた。温暖化ガス排出量が多い企業の脱炭素への移行を支援するトランジションボンド(移行債)の普及などが背景にあり、政府も後押しする方針だ。これまでESGの主役はグリーンボンドで、太陽光・風力発電などの環境関連事業が主な使途だった。不動産や鉄道などの企業は発行に積極的だったが、顔ぶれは限られていた。こうした状況が足元で変化している。17年度末時点ではESG債のうち、環境債の割合が100%だったが、22年度末には53%まで低下した。環境だけではなく社会的な課題に取り組むためのサスティナビリティボンド(28%)、環境や社会関連の目標の達成状況に応じて金利などの条件が変わるサスティナビリティ・リンク・ボンド(10%)、移行債(7%)などの発行が増えている。特に増加が目立つ移行債は、中長期的な脱炭素への移行に取り組むために発行する債券だ。背景にあるのが、政府による積極的な後押しだ。20年12月に国際資本市場協会が「クライメート・トランジジョン・ファイナンス・ハンドブック」を公表し、金融庁・経済産業省・環境省は「クライメート・トランジジョン・ファイナンスに関する基本指針」を打ち出した。日本はこれまでの出遅れもあり、伸びしろが大きい。ESG債の22年度の発行残高は21年度比で5割増えた。政府も「GX経済移行債」という新しい国債の発行を検討し、23年度からの10年間で20兆円規模を発行する考えだ。

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