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ごみ削減を考える③

ごみは燃やすもの?埋め立てるもの?

ごみを燃やす、埋め立てる、リサイクルする、この質問に対する答えは国や地域で見事に分かれます。ごみの質や量は、世界中で均等化しつつある一方、処理方法が異なるのは興味深く、理由探しから理解が深まることもあります。日本では分別してリサイクルするか、燃やすものというのが一般的なイメージでしょう。そもそも、ごみ焼却を基本としたのは1900年(明治33年)の汚物掃除法です。公衆衛生の向上が再優先でした。もっとも当時は、野焼きに近かったようです。本格的に焼却施設の導入が推進されたのは、戦後1960年代で、収集作業の機械化も進みました。70年代には国が補助金で施設整備を後押しし、全国に焼却施設が建てられました。そうして他の国に例をみない焼却大国が誕生したのです。全国各地の焼却施設の老朽化が進むと同時に、脱炭素社会への転換が求められる中、バイオガス化施設等の選択肢を加えることで、循環を模索しようという動きが始まっているのです。日本のリサイクルが見直されたのは70年代、本格的な取り組みが始まったのは90年代です。廃棄物の排出抑制・再生が加えられ、次々と個別リサイクル法が制定されました。日本全体のリサイクル率は一般廃棄物で20%、産業廃棄物で50%です。脱炭素社会を見据えた循環の実現に向けて、拡大や変革は必須です。

 

出典:日本経済新聞 京都大学准教授 浅利 美鈴 コラム引用 

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